損傷した RC 床版を取り換える際に近年広く採用されているのが、疲労耐久性に優れ、急速加工が可能なプレキャスト PC 床版(Prestressed Concrete)です。プレキャスト PC 床版の内部には PC 鋼材が入れられており、その鋼材を通じてコンクリートにはあらかじめ圧縮力(プレストレス)がかけられているため、床版が荷重を受けてもコンクリートが引っ張られない仕組みになっています。プレストレスを入れることで曲げ耐力の向上を図り、ひび割れを低減するということです。また、プレキャスト PC 床版の導入時には、工場であらかじめ制作したものを現場に搬入して設置するため、施工的なメリットもあります。
私たちの役割
弊社はこれまで、オリエンタル白石株式会社の一次下請けとして高速道路用のプレキャスト PC 床版を製造してまいりました。これはオリエンタル白石株式会社が開発した SLJ スラブ工法(Short Lapped Joint)に対応したプレキャスト PC 床版であり、通常のプレキャスト PC 床版と比べて構造・工費・施工性・性能面において数々のアドバテージがあります。
一方、SLJ スラブ工法に対応した PC 床版は接合部にエンドバンド鉄筋を用いるため、結束は上下両側から行うことが可能であり、床版をスライドさせることなく架設できます。また、床版を薄く、そして割付幅を広く設定できるため、重量や荷重、床版枚数、工事費、運送に伴う二酸化炭素発生量を抑えるとともに、工期の短縮が可能です。